マタニティフォトって、ご存知ですか?生命がお腹に宿った美しい体と、一生の中で一番優しくてあたたかくて女性らしい顔を持つ自分を写真に残すことです。
私もマタニティヌード写真は、海外の方や芸能人が撮ったりしているのは聞いたこと事がありましたが、わざわざ写真館で服も脱がずマタニティフォトを夫婦で撮るなんて普通だしちょっと勿体無いと思っていました。でも今では、あの時マタニティフォトを撮っておいて本当に良かったと夫婦共に感じでいます。
妊娠中の外出時、お腹が大きくせりだした私が歩いている姿を見て、優しいのですが日頃口の悪い夫は「ほんと妊婦ってみっともないスタイルだな。」と世にも恐ろしい言葉を発しました。私はショックでした、二人の大事な赤ちゃんを宿してるのにこんな酷い言い方をするなんて。
夫は嘘がつけないタイプなので本当に私の姿が不恰好だと思ったのでしょう。こんなことを言う夫これからやっていけるか本当に心配になりました。その時は私も泣いてしまい、夫も一応謝ってくれましたが心の中ではひとつシコリが残っていました。
私はその後友人がマタニティフォトを撮ったという話を思い出しました。その友人夫婦は「妊婦は神秘的で美しい。今しかない写真を綺麗に残そう。」ってご主人からの提案だったそうです。羨ましいかぎりです。でも私は夫婦でなく一人で綺麗に撮って主人を驚かせようとしたのです。そしてフォトスタジオに行ってすぐに一人で来たことは間違いだと気づかされました。素敵で幸せそうに輝いている夫婦写真たちを拝見しました。私も二人で、いや赤ちゃんもいるのだから3人で写真が撮りたいと思いました。
夫に提案するも最初は断れてしまいましたが、私の執念に観念しスタジオまで引っ張ってくることができました。ここまでくれば、一安心、あとはスタジオの幸せな先輩マタニティ写真たちが後押ししてくれます。その先輩写真たちを見たあとから私を見る視線が少し変わりました。なぜか優しい目つきになったのです。
写真撮影を無事に終え、私たちの写真の仕上がりをみて私より夫のが喜んでいる様子でした。帰り道夫は心から前回の言葉に対して謝ってくれました、そして「ほんと、悪かったな。今日改めてお前のこと見たら涙が出るほど綺麗で感謝の気持ちと幸せな気持ちでいっぱいになったよ。写真撮ってよかったよ、ありがとな。」夫はなんでも気づくの遅いんです。わざとじゃないんです。いつもそうでした。
あれから、三年たちました。今では二児のママで毎日てんやわんやです。リビングに飾ってある、一生の中で一番美しくて優しく微笑む一番若いママが写っているマタニティフォトを見ると癒されます。やっと最近パパの顔になってきた夫ですが、この3年前の写真のなかではまだパパの顔ではありません。